――記録よりも大切な“相撲を続ける人”
初場所5日目の両国国技館。
相撲博物館で行われたトークイベントに登場したのは、昨年秋場所限りで現役を引退した**桐山親方(元関脇・宝富士)**だった。
テレビ中継とは違い、こうしたトークイベントは力士・親方の“素の言葉”が聞ける貴重な場だ。
その中で桐山親方が語った言葉は、相撲ファンとして胸に残るものだった。
143年続く「青森県出身力士・幕内在位」の重み
桐山親方が触れたのは、
143年続いている青森県出身力士の幕内在位記録。
自らもその記録をつないできた一人として、
「競技人口が減っているのが寂しい。相撲をやってくれる人が増えてほしい」
と率直な思いを語った。
記録というと華やかに聞こえるが、
実際には「誰かが土俵に立ち続けないと途切れてしまう」もの。
それを一人で背負う重さを、桐山親方自身が誰よりも知っているからこその言葉だろう。
錦富士へ送った、親方らしいエール
現在、その記録を一人で守っているのが錦富士。
同じ伊勢ケ浜部屋の後輩でもある。
桐山親方は錦富士に対して、
「気負わず、自分の相撲を取ってほしい」
とエールを送った。
「頑張れ」「背負え」ではなく、
“気負うな”という言葉が実に桐山親方らしい。
宝富士時代も、大きく崩れず、淡々と、自分の相撲を積み重ねてきた力士だった。
だからこそ、今の錦富士に必要な言葉として自然に出てきたのだと思う。
義ノ富士を評価「自分から攻めている」
さらに今場所、2日連続金星というインパクトを残している義ノ富士についても言及。
「思い切りがいい。自分から攻めている」
と、その姿勢を高く評価した。
相撲は結果がすべての世界だが、
「自分から攻める相撲」を評価するあたりに、
親方としての視点の変化も感じさせる。
記録よりも「相撲を続ける人」が増えること
このトークイベントで印象的だったのは、
記録の話をしながらも、最終的に桐山親方の言葉が向いていた先が
**「未来」**だったことだ。
・勝ち負け
・番付
・記録
それ以上に、
「相撲をやってくれる人が増えてほしい」
という一言に、長年土俵に立ってきた力士の本音が詰まっている。
派手さはないが、
こういう言葉を聞くと「やっぱり相撲っていいな」と思わされる。
相撲好きとして感じたこと
引退して親方になっても、
桐山親方の相撲観は現役時代と変わっていない。
・無理に背負わせない
・自分の相撲を大事にする
・相撲そのものが続くことを願う
こういう親方がいること自体が、相撲界にとっての財産だと思う。
錦富士、義ノ富士、そしてこれから土俵に上がる青森の若い力士たち。
この言葉が、どこかで支えになっていればいい。



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