ドラフト1位という響きは、ファンにとって特別だ。
未来を託された選手、期待を背負う存在。
だからこそ、思うように花開かなかった選手を振り返るのは、少し切ない。
今回語りたいのは、2013年ドラフト1位——
柿田裕太(かきた・ゆうた)。
ベイスターズファンなら「名前は覚えてる」と言う人も多いはず。
しかしプロで一軍マウンドに立つことなく、わずか5年でユニフォームを脱ぐことになった。
🧢 社会人で評価を高めた本格派右腕
柿田は松本工 → 日本生命へ進み、社会人で一気に評価を上げた投手。
- 182cm/88kgの体格
- 140キロ台後半のストレート
- 多彩な変化球
- 左足を高く上げる豪快なフォーム
特に日本選手権での力投でスカウトからの評価が跳ね上がり、
ドラフト1位で横浜DeNAベイスターズ入り。
ファンの間でも、
「社会人エースだし、即戦力でローテ入ってくれ!」
そんな空気があった。
⚾ しかしプロの壁は、想像以上に高かった
入団1年目の春季キャンプはなんと 一軍スタート。
「これはガチでローテ候補じゃん!」
と期待されたが、ここから歯車が狂い始める。
● 右肘の故障
キャンプ中に肘を痛めて二軍落ち。
ここが最初の分岐点だった。
🧩 二軍では投げていた、それでも“一軍ゼロ”
翌2015年の二軍成績は悪くない。
- 18試合
- 5勝3敗1セーブ
- 防御率3.88
数字だけ見れば「もう少しで一軍」という印象。
でも、一軍昇格は一度もなかった。
さらに2016年、2017年と続けて一軍登板なし。
😢 直球は120キロ台後半に…
日本生命時代の“140キロ台後半の直球”が魅力だったが、
プロ後半には 120キロ台後半 になっていたと言われる。
肘の故障、フォーム修正、メンタルの部分など、
いろんな要素が積み重なってしまったのかもしれない。
🏁 そして、プロ5年間で静かに引退へ
2017年オフ、戦力外。
その後、12球団合同トライアウトに挑戦するも獲得はなく、現役引退。
プロ5年間、一軍登板ゼロ——。
数字だけ見ると厳しい結果だけど、
ドラ1として入ったプレッシャー、故障との戦い、調整の難しさ…
ファンが想像するよりはるかに大変な道のりだったと思う。
💬 ベイファンとしての正直な気持ち
柿田の名前を聞くと、
- 「期待してた」
- 「ロマンあったよな」
- 「もう一度万全の状態で投げる姿を見たかった」
そんな気持ちが蘇る。
成功できなかった選手を語るのは難しいけど、
彼の存在も、ベイスターズの歴史の一部。
育成・編成の方針がまだ確立されていなかった時代の“象徴のひとり”でもある。
今のDeNAの強いチーム作りは、こうした歴史の積み重ねの上にある。
だからこそ、一軍のマウンドに立てなかった彼の努力も、
無駄ではなかったと思いたい。



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